2012年12月5日水曜日

からだから考える。

高槻でのスキルアップクラスの4回目。本日から講師が大熊ねこさん(通称:パンダさん)になります。
 パンダさんは「からだから考える」をテーマに、からだへの意識を高めそれを頼りに演技を行なう訓練をします。発声練習に代表されるように、演劇の練習と言えばことばをしゃべる為の練習をイメージされる方も多いと思いますが、演技では言葉は一部分でしかありません。大切なのは、登場人物がおかれた状態に、演技者のからだも対応しているかです。俳優は、舞台表現特有の、型(かた)や特殊なからだの使い方をしながらも、そのシーンで演じる役がおかれた状況(シチュエーション)にリアリティーを持たせなければなりません。そのリアリティーを形作る基こそ「からだ」の変化であり、それができるために必要な技術は、自分のからだへの高い意識なのです。
 さて、今日の練習の中では呼吸や背骨、視野といった演技するうえで意識しておくべきポイントへ、注意を向けるワークが行なわれました。写真は背骨を意識しながらまっすぐ立つワークの風景です。それだけで、姿勢や体感が変化します。受講者からは「一度退化して、進化したみたい」といった感想が聞かれました。
 「言葉だけよりもその人の奥の方が垣間見える気がした」とパンダさんがいう通り、からだは言葉以上に色々なことを表現してしまっているものです。こうしたワークを通じてその感覚や自分のからだへの注意を磨いてもらえればと思います。
 ところで、ワークを受けてみての感想で「(ワークショップは)セラピー的な要素がある。ワークショップを受けた日はよく寝られる」と述べた人がいました。私たちは、こうした目的でも、遠慮なくワークショップを受けて頂きたいと思っています。それはそれで、すばらしい演劇の効用だと思うのです。