2013年8月30日金曜日

伝える

おつかれさまです。

8月28日のスキルアップクラスの講師は、平岡秀幸さんでした!

平岡さんのワークは、今回もシェイクスピアのマクベスを使いながら行われました。
同じをマクベスを使いながらのワークではあるのですが、ポイントとするところは毎回違います。

今回は、相手に伝える、伝えて動かす、っということがポイントに置かれていたように感じました。

まず参加者がペアを組んで、台詞を読んで相手に伝えます。

その感覚を覚えておいて、他の相手との繋がりを大切にするワークをいくつか行いました。
ミラーのワークであったり、手のひらを向かい合わせた状態で相手を感じながら動くっといったワーク、相手の中心と自分の中心を合わせるワークなどを行いました。

それらのワークを行った後に、相手の中心にしっかりと立ち、相手をしっかりと見ながら相手に台詞を伝えることをしました。

相手との繋がりを大切にするワークを挟むことで、最初に読んだときにはあまり考えることができていなかった、相手にどれくらい伝わっているのか、相手を動かすことができているのか、そういったことを感じながら読むことができるようになりました。
僕個人としては、最初の読みよりも後の読みのほうが自分の中に入ってしまった読みになってしまって、自分と向き合うのと同じように相手のそのときの状態とも向き合うことの大切さを実感しました。

平岡さんが4月、5月のワークでおっしゃっていた「する」と「なる」の違いにも繋がることのように感じました。

先週の田中さんのワークのときとは違ったポイントで、文字を声に出して読むワークだったわけですが・・・
言葉を発する難しさと楽しさと、奥深さを今週も違った角度から実感することができました。


9月もスキルアップクラスは続きますよ!


西村

2013年8月26日月曜日

相手に働きかける

こんばんは。ブログ担当の平田です。8月ももうすぐ終わりますね。8月4週目土曜日、講師は平岡秀幸さんです。
今回もシェイクスピアのマクベスの台本を使っての講座でした。

初めは長台詞を1つ、息を吸う、止める、台詞を言う、という流れを意識しながら読みます。そのあと、マクベスと夫人に分かれて台詞の掛け合いと、動きをやっていきます。

今回の講座でメインになるのは夫人の方の台詞で、マクベスをそそのかす台詞が主です。それを小手先の動き等で表現するのでなく、相手にどう働きかけていくかを考えていきます。
そのために、一度台本は離して流れを動きのみで追う、ということもやりました。
そうしてみると、台詞の強さや勢いのみで押すことは出来ないので、距離感や歩く速度が意識できます。そしてそれはとても集中力のいることだというのがわかります。

受ける側に関しても、相手の働きかけを受けての反応が必要です。つまりはこちらがしっかり相手をどうしたいのか示さないと相手も反応できないということです。

こうして文章でまとめてみると当然のことなのですが、普段おろそかになっている場合も多いと感じます。

また人のやっているのを見ているときや、受け手側に立ったとき相手へ向けた台詞や動きになっているかいないかよくわかります。
自分がやっている側のときも徐々にわかるようになってきたかなと思います。

スキルアップクラスの講座は残すところ来月のみです。ぜひはじめての方も参加してみてください。

2013年8月24日土曜日

分析

おつかれさまです!

8月21日のスキルアップクラスの講師は、田中遊さんでした!

クラスが始まる前にゲリラ豪雨が降って、田中さんをはじめとする参加している人みんながなにかしらの雨の影響を受けていました…

でも、ワークが始まればそんなことは関係ありません!
まずは、ジャンプからはじめてアップをしていきます。

ワークの最初に行うアップの部分で、どれだけ自分と向き合えるか、おとすことができるか、っというところが重要で、最近は「あ、今日はよくおちてる気がする!」とか、「今日はあんまりおとせてないな…」っということを感じることができるようになってきました。


アップのあとは、セリフ読みを後半じっくり行いました。
3,4行のモノローグをまず一度声に出して読み、その後どう感じたか、どう読みたいか、どう伝えたいかっといったことを考えながらじっくりと分析していきました。


僕は、
「紅い花をすりつぶして絞った汁」
という言葉がでてくる文章を読みました。
この単語から、僕はなんとなく血のイメージを持ち、それから「恐怖」や「緊迫」といったものを伝えるように読みたいと思いました。
 
一度自分で読み、田中さんからアドバイスをたくさん頂きながら、文章を細かく分析しました。
 
「恐怖」や「緊迫」というのは、読み手が持っている感情なのか、
それとも聞き手に届けたい感情なのか、
その「恐怖」や「緊迫」といった感情は、表現するときにどこのレイヤーにおいて語るべきなのか、
「紅い花」とはどんな花なのか、
「すりつぶして」ってどんな風にすりつぶしたのか、
 
などなど。
 
本当に細かく細かく、一文を読み込み、分析しました!
 
ほとんど、田中さんから頂いたアドバイスがあってこそできた分析でした。
 
結果的には、納得のいく読みに到達することはできませんでしたが・・・
 
それでも、一文の文章をここまで細かく分析したことは今までに経験がなく、
こうやって、読み込んでいくことで、納得のいく読みに近づいていけるんだなっと思いました。
 
無限に広がる言葉の持つ意味や読みの中から、そのときに適した読みを選び取る。
 
役者さんの腕の見せ所であり、むずかしさであり、楽しさだなっと感じました。
 
 
スキルアップクラスも残り少なくなってきました。
まだまだ、初めての方、ぜひ飛び込んできてください!
 
 
西村

2013年8月19日月曜日

柳に風

ブログの更新が大変遅くなってしまい申し訳ありません。
8月14日のスキルアップクラスについて、報告させてください。

8月14日のスキルアップクラスの講師は大熊ねこさん!
もちろん今回も大熊ねこさんの側にはパンダがいらっしゃいました!
今回は手拭いに大きめなパンダがいました!

パンダを実際に見たことがないのですが・・・
やっぱり実物はかわいいだけでなく大きいんでしょうね。

ワークはいつも通り、円になって互いの足をマッサージしながらのスタートでした。
互いの足の感じ、自分の足の感覚、そういったものを意識しながら今日のワークをどういったものにしていくのかなどを話していきました。

今回は、大きく二つのことを重点的におこないました。
「彫刻」と「柳に風」です。

「彫刻」はいままでにもやったことのあるワークです。
一人が彫刻家となりもう一人の身体を動かしていくっといったものです。
彫刻される側は、あくまで動かされる分だけ動くのであって、自分の意志では動かない。
彫刻する側は、相手の体の状態をしっかりと感じて動かすのに必要な力を過不足なく伝える。
そんなことを意識しながら行いました。

もう一つの「柳に風」は、
一人が柳になってもう一人が風になるというものです。

・・・
こんな説明ではわからないですよね・・・

でも、一言で説明しようとするとこうなります・・・

一人は柳となって、その場に立ちます。
柳はとてもしなやかな枝葉をもっています。
そのしなやかな枝葉は吹きつける風に逆らいません。
やさしい風が吹くと、やさしくそよぎ、強く厳しい風が吹くと強く激しく動きます。
けれど、柳はしっかりと根を張った木です。
どんあ風が吹こうと根は張ったまま。

そんな柳に、一人の人がなります。
もう一人は、風となって様々な強さややわらかさの風を、柳に与えていきます。
風から与えられた分だけ、柳は枝葉をしならせます。
「与えられた分だけ」でそれ以上でも以下でも不自然になってしまいます。


今回のワーク全体を振り返ると、
相手に正確に伝えること、相手が伝えようとしていることを正確に受け取ること。
これに重点が置かれていたように思います。

この伝えるものが、力だけでなく声や思いだったりしていって、正確に伝え、受け取ることができていくと、人と人との嘘のない、劇的なものが生まれてくるように思います。

伝えることは難しい。
受け取ることもまた、難しい。


でも、だからこそ伝わるとうれしいし、受け取れると幸せな気持ちになる。


次回のスキルアップクラスもみなさんぜひ来てください!

西村

2013年8月17日土曜日

セリフ術

かつて演劇は「聞くもの」であったが、このところは「見るもの」になったようです。こうなった原因は、観客の側の変化だと私は見ているのですが、つまり、テレビなどの映像の演技や表現にすっかり見る側が慣れてしまっているからじゃないかと思っているということなのですが、それはともかく。演劇のセリフもずいぶん日常会話に近くなって来た印象です。そのせいか、演劇と言えば発声練習にはじまり、「セリフ術」を練習する、という感覚はずいぶん古くさいものとなってしまったようです。
 とはいえ、翻訳劇や古典劇を上演したり、400席以上の広い空間で上演する場合には、拡声装置を使ったとしても、やはり「声」と「セリフ術」は観客に伝える要素として、重要になる可能性はいまでも高いと思います。もっと積極的ないい方をすると、生身の人間が表現することが「演劇の魅力」だとするならば、声を始めとする身体のあらゆる部分を創造的に活用することが、演劇をより豊かにするはずです。独特のセリフ術だってあっていいはずです。
 さて、今日のスキルアップクラスは平岡さんの講座でした。平岡さんはよくシェークスピアなどのテキストを用いてレッスンを行います。もちろんドラマを演じるための関係性に焦点をあててレッスンすることもありますが、本日は主に長いセリフをいかに語るかに焦点を当てたレッスンになりました。平岡さん曰く「色々な解釈や演出はあると思いますが、あるひとつのセリフ術だと思って練習してみて下さい」とのこと。
長いセリフを、よく伝えるのにはやはり技術が必要です。今日のレッスンはより効果的に伝えるための一つの方法を学ぶといったところでしょうか。(正解を学ぶということではもちろんありません)若い劇団さんの舞台を見させて頂くと、声やセリフ(発話)について意識的である所は少数の印象です。こうしたことに意識的であることこそが、(映像と差別化できるという意味で)「演劇的」であるぐらいの積極的な考えで、独創的な手法の開発も含めて、こだわってみるのもいいのではないでしょうか。

2013年8月13日火曜日

速度から創る

こんばんは。ブログ担当の平田です。スキルアップクラス、初めて参加されるという方が増えてきています。
1回から受講可能ですので、ぜひ皆さん参加してみてください!
 
さて、8月10日土曜日の講師は大熊ねこさんです。今回は今までの回ではあまりやらなかったことをやろう、ということで
「歩く速度」を主に使うような内容でした。
身体をほぐしたあと、最初は部屋の中を全員で歩きます。そして速度を、「普段自分が普通に歩いているときの速さ」にします。
もちろん人それぞれで速さは違うのですが、周りを見て合わせて全員が同じ速さで歩いている状態を作ります。この速さを「3」とします。
今度は、一番速い状態を作ります。あくまで歩いている状態での一番速い速さです。それも周りを見て一番速い人に合わせ……。この速さを「5」とします。
あとは3と5の間の速さの4、そして同じ要領で速度を遅くして1と2も作ります。
5段階の速さができたら、例えば2と言われたら2の速さ、5は5、1は1……と速さごとに変えながら歩きます。
 
さて、次のワークではこの速さを使っていきます。まず、ある動きのパターンを決めます。2人組になってその内の1人が
1、もう1人に向かって歩いていく
2、正座する
3、お辞儀する
4、顔を上げる
5、立ち上がる
6、振り向く
7、立ち去る
この7つの動作を連続して行うのですが、その動作ごとの「速さ」を先ほどの5段階を使って好きなように変えます。
例えば1は5の速さ、2は3の速さ、3は1の速さ、4は5の速さ……といった感じです。
さらに、動作の動作の間の間(ま)も変えます。たっぷり間をとったり、すぐ次に移ったり……。
 
動作を行う側の人は、あくまで「速さを変える」だけです。それでも、見ていると色んなシチュエーションや感情が見えてきたりします。
例えば、謝りたくないけど嫌々謝ってるんだろうな、とか、立ち去り方が潔く見える、とか動作自体は同じでも間と速さを変えるだけでまったく違ったものが見えてきます。
また、ある動作が同じ速度の人でも前後の動作の速さの違いによって、違った雰囲気に見えるなどの発見もありました。
 
このワークで大事なのは、動作を行う側の人はあくまで速度を変えるだけということです。
やっている内に、特にゆっくりの動作などはつい気持ちが入ってしまったりするのですが、そこはぐっとこらえます。
感情が入ってしまうとそれが伝わったか伝わらなかったかの正解不正解のに2択になってしまいます。自分は意識してもいなかったのに、今のはそんな風に見えたのか!という発見が大事です。
 
また別のパターンの動作で、2人同時に行うというものもやったのですが、それの場合はお互い相手をどうこうとは考えて動いていないにも関わらず、2人の関係性が想像できてしまったりします。
そして、動作をやっているとしっくりくる速さ、もしくは苦手な速さというのがあるのにも気付きました。例えばゆっくりやる動作を選びがちだったり、間を取るのが苦手だったり……。そこをあえてやってみることで、また違った発見もあります。表に見えてくる動作から演技ができていくというのがとてもおもしろいです。自分には合わないかもという役も、役に合った動作からやってみることで幅が広がったりするのかなとも思いました。
 
1つのワークでも本当にいろんな発見があります。ぜひぜひ受けに来てください!
 
 

2013年8月9日金曜日

crow

crow : [名詞]カラス

カラスを英語でcrowと言うそうです。
crowには、「(おんどりが)鳴く、時を作る」とか「(赤ん坊が喜んで)声をあげる」などの動詞としての意味もあるみたいですね。

さて、8月7日のスキルアップクラスの講師は、木村雅子さんでした!

まずはアップから。
木村さんのワークは、ゲームを使ったアップから始まります。
このアップの中で大切なのは、楽しむことと失敗を恐れないこと。
身体的なアップという意味もあるのでしょうが、一番アップしておかないといけないのは気持ち的な部分ではないかなっと思います。

今日のゲームは難しかったです!
声のミラーと動きのミラーを両方同時に、かつワンテンポ遅らせてやるっというもの。
みんな撃沈でした・・・笑
でも、大切なのは失敗を恐れず楽しむことです!笑

アップのあとは、crowのRの部分に重点をおいたワークになりました。

C : character(キャラクター)
R : relationship (関係性)
O : object (目的)
W : where (どこで)

お芝居を作り上げていくうえで大切な四つのこと、それがcrowだと教えていただきました。
今日のワークではRの関係性に重点がおかれましたが、お芝居をしていくうえではこの四つはそれぞれ深く関わっていて、互いに絡み合っているのだと感じました。

関係性を重視したワーク、特に相手との距離感に重点をおいたワークをいくつかしました。
そこで感じたのは、自分のあるいは相手のパーソナルスペースであったり、距離感と視線での思いの伝達、またその居心地の良さ、悪さ、ワクワク具合、といったものでした。

普段の生活の中では、意識して他人との距離を決めることはないと思います。
嫌いな人とは自然と距離をとるだろうし、安心できる人には自然と近付いていくものだと思います。

演じていくうえでは、このあたりまえなことをもう一度しっかりと意識しないといけないなっと思いました。
相手との距離感で、相手との関係性が語らずとも伝わるのだということ。
実感しました。

最後はシーンをやりました。
自由に、思いのままに、自分の衝動によってのみ動いて、木村さんの合図で止まる。
そのときの相手との距離、目線、身体の状態、などから相手との関係性をしっかりと感じます。
感じたら、シーンのスタートです。
ランダムに作りだされた相手との距離、目線、身体の状態などから、相手との関係性をしっかりと感じ、その関係性のままシーンを作る。
難しくて、楽しくて、深くて、おもしろかった!

スキルアップクラスも残り少なくなってきました。
私が文章でうまく表現できていないかもしれないのですが・・・
本当に、受けていて良かったと思えます!!

まだまだ参加者が増えてほしいと思ってます。
ぜひ、一度飛び込んできてください!

講師の木村さんが、ブログでスキルアップクラスのことを書いてくださっていたので、ぜひそちらも読んでみてほしいです!


西村

2013年8月6日火曜日

相手をよく見て…


こんにちは。ブログ担当の平田です。8月のスキルアップクラス、1週目の講師は木村雅子さんです。今回は相手をよく見て、飛び込んでいくこと!をテーマに後半はエチュード(即興)も少し行いました。

まず最初は、今朝の出来ごとについて1人ずつ話をしていくのですが、他の全員がその人の話を聞きながら繰り返して言います。そして、手のジェスチャーなどの動きも全て真似をします。真似されている方は、自分の無意識の癖がわかったり、話をちゃんと聞いてもらえてる、というのがよくわかります。人間は、聞いてるフリをして聞いていないというのができてしまうらしいです。確かに、そういうときは少なからずあると思います。真似している側も、真似しながらだと話が聞きやすくなりました。それから、身体をリラックスさせている状態だと、足や身体全体の動きも真似しやすく感じました。

他には、よくミラーのように動きを真似するワークショップがありますが、それとは少し違って1テンポずつ動きをずらしながら真似する、慣れてきたらそこに上のように話も加えていきます。動きも話も、真似する側だけでなく、先導する側も相手をよく見ていると息が揃ってくるのがよくわかりました。

後半は、少し難しいですがエチュード(即興)をやっていきます。椅子を2つ置いて、まずは2人がそれぞれ好きに動きまわります。歩いたり椅子に座ったり椅子を触ったり動かしたり…。特に考えず身体が動きたいように動くのを大事にする、また、もう1人の人を意識しないのがポイントです。しばらく動いたあと、手を叩かれたら止まります。そのとき、もう1人を「見る」か「見ない」かどちらかを選びます。例えば、1人は椅子に座って目をそらしている。もう1人は遠くを見ている。などの状態になります。そこから、そのときの自分は、相手はなんでこういう状態なんだろう?というのを少し考え、そこから2人で話をつくっていきます。
自分が誰で、どういう状況の場所か、すぐには出てこなかったりしますが、例えば「気まずい」とかそういった空気感はわかります。その状況から、相手がどう動くか、自分がどう動きたいか?を繋いでいくと話が進みます。実際やってみるとやはり難しいですが、これ以上これは話が進まないな、と思ったら潔くやめてまた一から始めます。

自分の衝動を探りながら、相手にも常に意識を持っておくことはとても大変ですが、そうやってうまくいくとおもしろいものが出来上がると思います。時間を使うので何回もはできませんでしたが、ぜひまた他の人ともやってみたら新しい発見もできるかなと思いました。
さて、ひとまずは9月いっぱいまでの開講となっております。皆さんぜひご参加ください!