2013年4月11日木曜日

「イエス」の可能性


こんばんは。本日のスキルアップクラス講座のブログを担当させていただきます、平田です。

無料体験講座2回目の今日の講師は木村雅子さん。次々とワークショップが展開し、そしてとにかく動き回る!そんな2時間でした。

まずはボールを使った鬼ごっこのようなゲームから始まります。逃げる側はボールと鬼の動きに意識を向け、鬼は協力し合って追い詰める…と、そんな難しさもありましたが、逃げる側は徐々にわざと捕まりやすい動きをしていきます。どうしたら面白くなるだろう?と考えて、自分から面白さにとびこんでいくことを意識する、ということでした。「とびこむ」という言葉は後ほども色んな場面で出て来ます。

その後も、
・円になって誰でもいいので手を叩きつつ名前を呼ぶ、呼ばれた人はまた同じように…と回していく
・同じく円になって右か左に向けて1回手を叩き、それをどんどん隣の人に回していく
などなど、ゲームのようなワークを重ねて行きます。

 内容は様々ですが、共通しているのは失敗するのを恐れないこと。失敗に気を取られると、その隙を突かれてさらに慌ててしまいます。実際の舞台でも同じで、ミスに気を取られている間にも舞台は進んで行きます。失敗を怖がったり、先を心配し過ぎず「今」を楽しむことが大事だなぁと感じました。

 後半は即興劇のワークへと入っていきます。
2人組になり、片方が「○○しようよ!」と提案をします。返答する側は必ず「ノー」で返します。「映画観に行こうよ」→「忙しいからいいや」というようなやり取りです。
その次は、逆に相手の提案には必ず「イエス」で返し、どんどん話を膨らませていきます。

 日常生活を振り返ると、ノーと返答することが多いことに気が付きます。「肯定」はその分何かしなくてはいけない状況を作ります。何かをするには勇気も必要ですし、リスクもあります。ですが演劇をするにあたって、「イエス」はとても大事です。相手の言葉への「ノー」という答えは、相手を遮断することになり、そこで話が終わってしまいます。「イエス」と答えることによって話は膨らんでいき、状況の中にとびこむことが出来ます。

 さて、2人1組ずつ、「提案」と「イエス」で話を進めます。例えば今日出たのは「結婚しよう」「沖縄に行こう」「二宮金次郎像巡りをしよう」などなど。どんなに現実ではあり得ない提案でも、肯定することによって不思議と話が膨らみ、ストーリーが生まれました。常識は個人のものでしかなく、また、面白いストーリーを作ろう!と身構えず自然に返答するだけで、面白いものは作れるんだという発見がとても新鮮でした。

大切なのは「遊ぶこと」「とびこむこと」。その中での色々な発見は、演劇にもそれ以外にも役立てることが出来るのではないかと思います。