こんにちは。スキルアップクラス、ブログ担当平田です。今週水曜日の講師は大熊ねこさん。
今日もお互いに足のマッサージから始めます。ここ最近は参加者皆さん、ほぼ顔見知りになって来たのですが、初対面の人同士だったりすると、相手に触れることで緊張がほぐれたりもするので、そういう面でも有効だなぁと思います。
さて、次はウォーミングアップです。首(の背骨の始まり)から順に、背骨の一つ一つを意識しながら力を抜いていきます。腰から上の力を完全に抜ききったら、今度は腰から背骨を一つずつ積むように起き上がっていきます。
丹田(お腹の下の方)の筋肉を使わないと、先に背筋の方が伸びてしまうので、緩やかな動きでリラックスしているように見えて、なかなか筋力が必要でした。発声前の姿勢を作るときによくやることですが、意識するべき部分がわかりました。
初めは、部屋の中を歩き回り……とよく行うワークですが、まず前提としてしてもいい動きは
・止まること
・誰かの真似をすること
・好きな動きをすることの3つです。最後の好きな動きをすること、と入っている時点でつまりは何をしてもいいということになるのですが、本当に何をしてもいいよ、と言われるだけのときより、上2つの条件が入っていることで、むしろ自由に動けたように思います。誰かの「あ、面白そうだな」という動きをあまりためらわずに真似できたり、止まることや動き出すことに不安を感じなかったり、また、人がどんな動きをしているかがなんとなく、雰囲気として視野に入って、自然と全員が調和の取れた動きになったり…と新しい発見が色々ありました。何かをしなくちゃ、と身構えてしまうと逆に動きが制限されてしまうと思います。個人的なことですが、今回、昼間それなりに疲れてからここに来たのですが、にも関わらずもっとこういう動きをしてみよう、などがいつもより積極的に出てきました。
さて、次は彫刻のワークです。1人は好きにポーズを取り、もう1人はさらに別の人の身体を動かして、そのポーズを再現します。ただし、相手の身体を動かすときに触れて動かすのではなく、手でこの方向、この角度、というのを示すだけで伝えます。声も使いません。
自分が動かす側に回ったときに思ったのは、意思疎通が出来ていない瞬間でもおもしろい瞬間がある、ということでした。もちろんポーズの再現を目指すのですが、その過程として「この動きはどうやったら伝わるんだろう」と考えたり、「あー、そうじゃないのに!」ともどかしく思ったり、逆にすっと伝わったり…ですがどの場合でも、相手の反応への反応が生まれていたように思います。演劇における、相手からの発信に生の反応をする、という醍醐味のようなものを感じ取れるワークだったと思います。また、身体の芯からの動きを伝えるのは難しい、というような感じ方もありました。やっているときは伝えるのに必死、という面もあったのでぜひもう1回やってみたいです。そして一緒にやる相手によっても色々変わると思うので、色んな人とやってみたいなぁと思いました。
最後は、また相手の身体を動かすのですが、今度は触れて動かします。最初は動かされる方は目を開けて、2回目は目をつぶります。どこまで動くのかということを確かめてみたり、意思疎通の仕方はどう変わっただろう?と比較してみます。
動かされている側としては、まず目をつぶった方が本当に手の感覚しかわからないので、相手がどう動かしたいのかより伝わる気がしました。自分が動かす側のときも感じましたが、腕に触ってみたものの一瞬どっちに動かそう?と「迷っていること」すら伝わっているな、と感じたり、ちょっと力を入れただけでその方向に動かすことがすぐ伝わるんだ、と実感したり…。
全体として、意思を伝えることは難しく、かと思えばあっさり伝わってしまったりするものなんだなと感じました。その辺りを適度にコントロールしたり、または身を任せたりすることで演劇的なおもしろさが色々追及できるのでは?と感じました。たくさん試していく上で、理屈も感覚も使いこなせるようになろうと思います。