さて、感情や気持ち緊張など心理的なこと(内面のこと)と、肩に力が入っているとか呼吸が浅いとか前屈みになっているなど身体的なこと(外面的なこと)は普段の生活でも、演技の上でも密接につながっています。

普段の生活では感情を爆発させて怒ったり、殺される!ぐらいの緊張感と出会ったりなどということはあまりありません。でもお芝居の上では、そうした状況は割と頻繁にでてきます。日頃の生活感からは離れているので、それを演じる場合、つい「表現しよう」と頑張ってしまいがちですが、今日のレッスンではそうした「表現しよう」から離れて、想定した状況に身体やこころをもって行ってみることに力点が置かれました。そうすることで、むしろ「そう見えてくる」を各人が体験したり、確認したりします。普段の自分はこうしてるとか、自分はこれは得意とか自分のこともよくわかったかもしれません。
役へのアプローチの方法でも、内面からアプローチするやりかたと、身体の動きや状態といった外面的から作る方法があるということが演技のレッスンでしばしば語られたりしますが、今日のレッスンでは、どちらがそのどちらがいいということではなく、心理と身体は密接に関わっていることや、相手との距離感や相手への気持ちの強弱が相手役に与える影響などがとても認識できたのではないでしょうか。
集中とエネルギーを要するレッスンだったので、参加されたみなさんはちょっと疲れたかもしれません。お疲れさまでした。