2013年5月27日月曜日

新たな発見

おはようございます。5月最後のスキルアップクラス、ブログ担当の平田です。今回の講師は高杉征司さん。今回のワークは新たな発見がたくさんあり、とても充実した内容でした。

さて、まずは前回と同じくじゃんけん列車からスタート。
人とのコミュニケーションに大事な、アイコンタクト・声・相手に触れるといった三要素が揃っています。

そしてエアバレーボール。こちらも前回も行ったワークです。
全員がちゃんとボールを意識していると、実際になくてもボールがどこへ飛んだかちゃんとわかります。こういう想像力をお客さんと共有できたら、実際の舞台でも色々な応用ができるなと感じました。

今回長めに時間を使ったのは、自己紹介です。
全員で円になり手を繋いでまずは普通に自己紹介をします。(今回は名前、演劇歴など、好きな食べ物)その後、またさっきと同じ自己紹介をします。が、今度は繋いでいる手を握って合図を送りそれをぐるぐる回していきます。最初は同じ方向へ、次は好きに向きを変えてOKというように、難易度が上がっていきます。

自己紹介をセリフとして考えると、動きながらセリフを言うという日常でも舞台でも普通にするようなことをしているのですが、「何かをしながら何かをする」というのはやはり難しいです。どちらかにがっつり集中するのではなく、マルチタスクというのが大事です。

最初は話に集中し過ぎて手を忘れたり、その逆になったりしていたのですが、慣れてくると手はそこまで意識を払わなくても動くようになってきました。「稽古をして上手くなる」というのを簡略化するとこういう感じなのかなと思い、稽古場で決まった動きに慣れることは改めて大事だなと感じました。

さて、もう1つのメインはフリートークです。
2人1組ずつ、決まったお題でフリートークをします。(今日の夕食について、映画について、など)

そして続けて、今のフリートークをもう一度再現します。この「再現」に関してそれぞれで捉え方が違うことがまず面白くて、わたしは言われて最初、とにかく話の内容の再現、と考えましたが、それ以外にも動き、声のトーン、空気感など、再現できるものはたくさんありました。

さて、まず1回目の再現をしたところ、わたしの組の方はかなりタイムが短くなっていました。1回目のときにあったような、何を喋ろう、と探るような雰囲気や、何を聞こうかなと考える間、などの部分がほとんどなくなっていたようです。それを話がわかりやすくなった、と感じる人もいれば面白みがなくなってしまった、と感じる人もいます。

やっている側としての感想は、すごくわざとらしく喋っているような気がしました()やはり、さっき一度聞いている話なのでリアクションや、自分から話題を振るときの「あ、そうそう」という感じがなく、1回やっただけで随分小慣れてしまうものなんだなぁと思いました。3回目の再現では、そのしらじらしさを減らすためなるべく声を雑談するような音量、話し方に変えてやってみたところ、2回目よりは自然になりました。

先程の自己紹介のワークでも感じたことですが、「練習して上手くなる」ということは、2回目のように話が整理されてわかりやすくなったことなのかなと思いました。しかし新たに感じたのは、慣れてしまうことで魅力が減ってしまうこともあるといことです。そこをカバーするのに、3回目、声を小さく少し雑に話したことが必要なのかなと思います。その3回目に何をするか色々工夫することで、自分の演技の魅力のようなものが出来ていくのでは?と思いました。

また、話している相手への意識というものが今回あまりなかったのですが、例えば普段の稽古なら共演者ともっと何度も練習を重ねることになるので、息が合ってさらによくなっていくのかなと思います。しかしそこでも慣れてくることでなくなってしまう新鮮味を、どうカバーしていくかが大事だと思いました。

今回のワーク、特に最後のフリートークは、わたしは上記のような「稽古の大切さと、逆に稽古によりなくなってしまうもの、それを補うこと」のヒントを感じ取りましたが、人により感じたことや発見したことは様々だと思います。演劇のワークショップにはそういった楽しさもあると感じました。発見を大事に、そしてどう自分の身にしていくか、考えていこうと思います。