2013年6月9日日曜日

意思疎通と衝動


こんばんは。ブログ担当の平田です。スキルアップクラス、今日の講師は大熊ねこさん。今日も身体を中心に、そして自分の動きたい衝動と周りとの関係を重視した内容でした。

ワークショップでは、自分の気付きが他の人にとってもためになるので、気付いたことは言葉にしていくことが重要だなぁと感じました。

まず最初は、隣の人の足をマッサージし合いながらの自己紹介。マッサージはあまり得意ではないので、他の人の良さそうなやり方をそのまま真似してみたりしながら…。
以前の別のワークでのことですが、触れながら話す、というのは2方向に意識を使うのと、触れる+マッサージということで、リラックスしながら喋れるような気がしました。

さて、まずは、円になって隣の人に拍手を回していくというシンプルなワークです。途中から、逆回しアリ、隣の人じゃなくてもOKとなって、次は「ハッ」と声を乗せていきます。向けられた声をエネルギーとして受け取り、受け取ったそのままを他の人へ回していきます。ある程度まで進むと、見当違いの方へ飛ばしてしまった時それがちゃんと見えるのでそういったミスも大事にしたいと思いました。声のエネルギーも、そっちへ飛ばすよ、というアイコンタクトも、舞台でやるようなやり取りの簡略したものかなと思いました。相手にどう投げられたかで受け答えも変わるはずと思います。そういう基本的なことを確かめることが出来たとわたしは感じました。

その後は逆に「パッ」という唇の音だけで回して、さらに次はアイコンタクトだけで回します。アイコンタクトは本当にしばらくじっと見ないと回されているのかがわかりません。さらにアイコンタクトした人とされた人が立ち位置を交代してから、次を回していく、という風にやった時は、アイコンタクトを送ったよ、受けたよ、という会話を空気で感じ取ることがとても難しかったです。結局今上手くいった!という実感の方はあまりはっきりとわたしは感じ取れませんでした。ですが、上手くいかなかったときの、今意思疎通できてないなぁというモヤっとした感覚や、思っていたよりもさっと位置交代で移動してしまってちょっと寂しく思う感覚などは、わかったように思います。そこを気持ちよく意思疎通できるにはどうしたらいいんだろう?ということがわかれば、舞台にもそのまま応用できることだと思うので、色々と試してみたいです。

さて、後半の方はみんなで部屋の中を歩き回り、誰かが止まったら全員止まり、誰かが動き出したら全員動く…段々とそれを誰がきっかけなのかわからないくらいスムーズに、全員が同じタイミングで止まり、動き出せるようにしていきます。
もちろん誰が今どう動いているか「見る」ことも大事ですが、例えば服の音や人の動く気配などで感じることも出来ます。また、部屋の中をなるべく満遍なく動き回ることと、同時に止まることの両方を意識しているとなかなか上手く出来なかったのですが「どうすれば同時に止まれるかを考えてみて」という一言で、その場の集中力が目に見えて上がりました。他の人の動きに集中することでさっきまでよりスムーズに揃うようになりました。

その後、次は4人の内常に誰か1人が動いていて、誰か3人が止まっている状態を作ります。動いている1人は自由な動きで動きます。止まりたくなって止まれば誰かが動き出す、逆に誰かが動き出せば動いている人は止まる、という風に続けていきます。このワークで初めに書いていましたように、自分のこう動きたい!という衝動と、他の人が今どう動いているのかに集中することとの両方を頭に入れることになります。最初の方は、動くのに不安や遠慮が見えましたが、一度、自分の衝動を大事にすることをちゃんと頭の片隅においてやってみると、慣れてきたのもあって、自分のしたい動きをしていても、ちゃんと止まれるし動けるようになっていました。しばらく続けていく内に、周りの人への信頼感も生まれることで、そこまで意識せずとも2つのことを同時にこなせるようになっていました。

実際の舞台では、その場で段取りを頭で追うことは出来ないので、やはり優先するのはその時の空気感や相手への生の反応だと思います。
それを大事にしつつも、稽古場での段取りがちゃんと出て来るようにまで稽古するのが大切なんだろうなと思いました。そして、そういった自分の中や人からの影響で出て来る衝動を、ちゃんと聞いてやることも大事にしていきたいと感じました。