こんにちは。ブログ担当の平田です。
スキルアップクラス土曜日、今回の講師は木村雅子さん。今回は初めて受講に来られた方が多く、皆さん充実した2時間を過ごしていただけたのではと思います。ぜひ、1回からでも受講可能ですので、たくさんの方に来ていただきたいです。
今日前半は、コミュニケーション、主に相手からの発信を「受け取る」ということを中心にしたゲームをいくつか行いました。
例えば、全員で円になり、自分をさして「わたし」と言ったあと、誰かをさして「あなた」といいます。そしてさした相手のところへ歩いて行きます。言われた人はまた誰かに……と繰り返していく、簡単なものです。
大切なのは、相手から発信された「あなた」という言葉を丁寧に受け取るということです。そして発信した方も相手が受け取ったことを確認してから次の行動に移ります。動かないといけない、とか、次に誰を指名しようか?とか自分の中で考えてしまうのではなく、相手から飛ばされたものへの反応として動く、言葉を発する、ということが大事です。とても基本的なことであり、日常生活では普通に行うことだと思うのですが、改めて丁寧にやることで、全員がお互いに受け取ろうとしている空気を感じました。慣れてきたあとは、「わたし、あなた」などの言葉はなしで、アイコンタクトだけで同じことをします。それも、受け取ることに必死になるのではなく、リラックスしてお互いを受け入れる態勢が出来てきたように思いました。
後半におこなったのは、2人組になって、1人がテーマに沿って話をし、もう1人はただそれを聞く、というシンプルなもの。最初のテーマは「初恋の話」!
話し終わったら、聞いていた人が話をした人に「どこがよかったか」を伝えます。内容のことであったり、話し方であったり、様々なことが挙がりましたが、重要なのはこれは話を聞いている人側のワークだということです。聞いている人はよかった点を見つけて伝えますが、これがとても大切なことです。普段の生活でも、自分や人の悪いところは何かと目に入りがちではないでしょうか。ですが、演劇をするとき、相手の役者さんその人とコミュニケーションをとることが大事です。その人のいいところを見つけ、そこを引き出すように演技する。それをお互いにし合うことができれば、そのお芝居はどんどん面白いものになっていきます。
最後に行ったイルカのワークでは特にそれがよくわかりました。イルカ役を1人決め、残りの見ている側で1つ、イルカ役の人にしてほしい動作を決めます。(カーテンを閉める、など)イルカ役の人はとにかく色んな動きをしてみます。見ている側は、決めた動きに近い動作をしたときに合図を送り、その動作まで誘導してあげる。というものです。
実際やってみて実感したことは、最初に決めた動作以外のことをしているときも、「楽しく見てあげることが大切」ということです。2人組で話をしたときのように、相手がさらによくなるように、引き出してあげること。自分も一緒によくなろうとすること。それがいい作品を作ることに繋がること。シンプルな内容の中でとてもたくさんのことが実感できたと思います。
今回は初めて参加された人が多く、コミュニケーションの仕方は、十人いれば十通りあるということが、当たり前のことかもしれないのですが改めて考えるととても面白く、さらに今回は年齢層が高めで、普段同年代以外の人と芝居やワークショップをする機会はなかなかないので、そこも新鮮でした。
人とのコミュニケーションは単純なことのようで、意外に意識しないと難しく、けれど上手くいけば演技にも日常生活にも還元することができると感じました。